こんにちは、東京ベイサイドクリニックです。
日増しに寒さが身に染みるようになりましたがいかがお過ごしでしょうか。
今回はインフルエンザワクチンについてお話していきます。
インフルエンザの予防接種で使われるワクチンには感染を抑える働きがないということはご存じでしょうか。
ではなぜインフルエンザの予防接種は推奨されているのでしょう?
インフルエンザ予防接種の効果や効果的な接種時期について詳しく解説していきます。
昨シーズンは季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との同時流行が
懸念されたことからインフルエンザワクチンの需要がたかまりました。
しかしながら実際の感染者数については例年の1/1000程度に留まりシーズンを通して流行することはありませんでした。
今シーズンはワクチンが供給されるタイミングが昨シーズンより遅れることが発表されています。
そのため接種が開始される10月中は一時的に不足しているような状態になりますが
11月以降も継続して供給されるため過度な心配は必要ないでしょう。
◎インフルエンザワクチンの働き
1.発症を抑える
前述のとおりインフルエンザのワクチンには感染を抑える働きはありません。
「感染」とはインフルエンザウイルスが口や鼻から体内に入り、体の中で細胞に侵入して 増殖することを言います。
感染しているだけの状態ではほとんど自覚症状はありません。
感染してから数日の潜伏期間のあと、発熱や関節痛、のどの痛みといったインフルエンザの症状が現れます。
症状の重さにかかわらず少しでも症状の出た状態を「発症」といいます。
インフルエンザワクチンにはこの「発症」を抑える効果が認められています。
2.「重症化」を防ぐ
インフルエンザに感染し発症しても多くの人は1週間程度で回復します。
しかし中には肺炎やインフルエンザ脳症などの重い合併症で重症化や死亡するケースもあります。
特に幼児はインフルエンザ脳症にかかる危険性が高く、基礎疾患のある人や高齢者は
重症化する可能性が高いと言われています。
インフルエンザワクチンのもっとも大きな効果はこのような重症化を防ぐ効果です。
また、発症しても軽い症状でとどめる効果も期待できます。厚生労働省によるとインフルエンザワクチンの効果について
「65歳以上の健常な高齢者については約45%の発病を阻止し、約80%の死亡を阻止する効果があった」と公表しています。
3.インフルエンザワクチンの効果的な接種時期
インフルエンザワクチンの予防効果が期待できるのは接種した2週間後から5ヶ月後程度までといわれています。
日本では例年12月から3月頃が流行シーズンで、1月から2月に流行のピークを迎えます。
この期間に予防効果がでるように接種しておくのがおすすめです。
具体的には予防効果が現れるのに2週間程度かかることから11月中旬までに接種しておくと安心ですね。
流行のピークに間に合わせるには12月中旬頃までには接種しておく必要があります。
4.予防接種をうけることができないまたは医師と相談が必要な場合
・接種当日明らかな発熱を呈している人(37.5度以上)
・重篤な急性疾患にかかっている人
・アナフィラキシーショックを呈したことがある人(接種後30分以内に起こるひどいアレルギー反応)
・過去1か月以内に麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、ポリオなどにかかったか予防接種を受けた人
・心疾患、腎臓病、肝臓や血液、その他慢性の重篤な病気で治療を受けている人、けいれんの既往がある人
・接種液の成分に対してアレルギーを呈するおそれがある人
(鶏卵、鶏肉、ゼラチン、チメロサール、抗生物質などワクチン関連成分)
上記のことからインフルエンザワクチンを打つことに慎重にならないといけない場合もありますが
ワクチンの効果や重要性を理解したうえで今シーズンもインフルエンザワクチンを接種してインフルエンザの予防に努めましょう。
ペンネーム『献身的な愛』 (ラベンダーの花言葉より引用)